皆さんは世界遺産に初めて登録された場所をご存知ですか?実は記念すべき第一期に登録された世界遺産は12個あります。
今日ご紹介するのは、その第一期に登録されたポーランドの世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」です。深さ327m、全長はなんと300km以上に及ぶ岩塩坑で、国家事業として700年間掘り進められ、そこで採掘される岩塩はポーランドの国家経済を支え続けたそうです。
入り口はこんな建物にあります。想像と違う雰囲気に戸惑ってしまいそうですね笑
内部はアリの巣のように坑道が張り巡らされていて、全長300kmある岩塩坑の中には現在も稼働しているエリアもあるそうです。
目も眩むような深さです。観光として入れるのは一部のエリアのみですが、この岩塩坑のスケールが伝わってきますね!
昔の様子を再現した場所もあり、当時の坑夫たちを見ることができます。登ってきているのは親方でしょうか?まったく関係ないですが、坑夫の親方と言えば「親方ぁぁ!空から女の子が!!」って言いたくなります 笑
木の骨組みも想像以上の大きさです。なんでも初めて地下で気球を飛ばしてギネスに登録された場所でもあるそうです。
岩塩坑での仕事は常に危険がつきまとっていて、坑内の無事を祈るためにいくつもの礼拝堂が造られたそうで、この「聖キンガ礼拝堂」はその中で一番の大きさで地下100mの場所にあります。そして驚くのは、模様の入った床やシャンデリア、奥の礼拝堂に至るまでほとんどが岩塩で造られています。
こちらは聖キンガ礼拝堂の祭壇。もちろんこれも岩塩です!中世の時代、塩は調味料以外にも、食料の保存や医薬品、染色やなめしなどの産業用品としてとても貴重で「白い金」とまで言われていたそうです。
写真は岩塩で造られたキンガ礼拝堂の奥にあるマリア像。実は礼拝堂の名前の由来になっているキンガとはポーランドに嫁いできた王妃のお名前。
ハンガリーに生まれ育った心優しいキンガ姫は、ポーランド王のボレスワフ5世との政略結婚が決まっていました。純粋だった姫は望む結婚ではないのにも関わらず、ポーランドに出向きます。そして道中にあった塩水の湿地にある泉で静かに祈りを捧げ、婚約指輪を投げ入れました。
ポーランドに着くとヴィエリチカの民に地面を掘るように言います。半信半疑で地面を掘るとなんと上質な硬い岩塩がたくさん出現し、さらに投げ入れたはずの指輪も一緒に出てきました。こんな言い伝えからキンガ姫は岩塩坑を発見した人としてこの地方の守護神のような存在になりました。
このキリストも岩塩。ほとんどの岩塩彫刻は実際に働いていた坑夫による作品なんだそうです。彫刻の技術が半端ないです 笑
こちらは岩塩の壁を削って描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」
坑内には新約聖書の様々な物語が岩塩で表現されています。
坑内にあるレセプションホール。このような施設の他にも、地下211mでは呼吸器系疾患の療養所があり「岩塩坑セラピー」が行われているそうです。
岩塩坑に広がる地底湖。もちろん塩湖だそうで、塩分濃度は26%を超えているそうです!
地底湖ほど冒険心をくすぐられるものはないですよね!!観光向けの2時間程度のコースでしか中に入ることはできませんが、これは必見です!
Kopalnia Soli „Wieliczka|http://www.kopalnia.pl/
(投稿者:ANDY)